起業してすぐ“お金を借りてはいけない”パターンとは?失敗しないための資金調達の鉄則

起業して間もない時期は、売上も安定せず、手元資金に不安を感じる場面も多いものです。そんなとき「とりあえず借りておこう」と融資を検討する方も、少なくはないでしょう。

しかし、タイミングを誤った借り入れは、かえって経営の足かせになってしまう可能性もあります。そこで本記事では、起業直後にありがちな危険な資金調達パターンや、借り入れ以外の選択肢、適切な借り入れの時期と目的について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

起業してすぐに融資を受けたくなる理由

起業直後は、先行きの見えない不安や資金不足から「とりあえず借りておいた方が良いかも」と思いがちです。しかし、その考え方には、注意すべき問題点があります。

起業直後の不安と資金不足

起業当初は売上が不安定で、先の見通しも立ちづらい状況です。創業準備や初期投資に思った以上のお金がかかり、「このまま資金が尽きたらどうしよう」と焦りを感じる方も多いでしょう。その不安から、実際の必要性を精査せずに融資を検討するケースがあります。ところが、売上が未確定の段階での借り入れは返済リスクが高くなり、後々の資金繰りを圧迫することにもなりかねません。

資金不足

他人資本への依存が安心感を生む

資金が足りない状況では、「借り入れがあればしばらく安心できる」と感じることがあります。確かに、手元に現金があると心に余裕が生まれますが、その安心感は一時的なものです。返済が始まると毎月の支出は増え、プレッシャーにもつながります。経営が軌道に乗る前にこのプレッシャーを抱えると、判断や行動に迷いが出やすくなり、事業の持続性にも影響を及ぼすことがあります。

お金を借りてはいけない危険なパターン

起業直後の融資は、慎重な判断が必要です。ここでは、失敗を招きやすい典型的な「借りてはいけない」ケースについて解説します。

収支計画があいまいなまま借り入れを行う

融資を受ける際には、「いつ、いくら借りて、どう返済するか」を明確にしておかなければなりません。しかし、売上見込みやコスト計画が不十分なまま借り入れを行ってしまうと、返済に行き詰まる可能性が高まります。起業初期には想定外の出費が生じることも多いため、計画の甘さが命取りになることもあります。資金繰り表や収支予測を立てずに借り入れを決めるのは、非常に危険な行動と言えるでしょう。

設備投資や採用に過剰に使ってしまう

融資を受けると、つい「せっかく借りたお金だから」と、店舗の内装や設備に過剰に投資したり、まだ必要ない人員を早期に採用してしまったりすることがあります。これらは将来的にプラスになる場合もありますが、売上の裏付けがない段階では固定費だけが増えてしまい、資金繰りを圧迫する原因にもなりかねません。まずは最小限の体制でスタートし、事業の成長に応じて段階的に拡大した方が良いでしょう。

売上の見込みが甘いケース

「3ヶ月後にはこのくらいの売上が立つはずだから大丈夫」と楽観的な見通しで借り入れを決めるのは危険です。とくに、営業経験が少ない業種や未経験分野での起業では、売上が思うように伸びないケースも珍しくありません。最悪の場合、返済が始まった時点で現金が足りず、資金ショートを起こす恐れもあります。売上の予測は常に控え目に見積もり、最悪のケースを想定しておくことが重要です。

起業初期におすすめの「借りない資金調達」とは?

起業直後に無理して借金を抱えるのではなく、返済義務のない資金調達手段を活用することが、安全で健全な経営を実現する第一歩となります。

補助金

補助金や助成金を活用する

国や自治体は、創業支援を目的とした補助金や助成金を多数用意しています。たとえば「小規模事業者持続化補助金」は、一定の条件を満たすことで事業経費の一部が補助され、返済も不要です。申請には事業計画書の作成や期限内の提出など準備が必要ですが、審査に通れば資金面での大きな助けになります。また、地域独自の支援制度もあるため、商工会や自治体の窓口に相談してみるのもおすすめです。

クラウドファンディングの活用

自社のビジネスやサービスに共感を得られれば、クラウドファンディングで資金を集めるという方法もあります。資金を提供してくれた支援者には、商品やサービスの提供をリターンとして設定するケースが一般的で、金融機関の審査よりも柔軟です。初期費用がかかるビジネスモデルや、社会的意義のあるプロジェクトであれば、広く共感を得ることもできるでしょう。ただし、事前のプロモーションや、支援者との信頼性の構築が必須です。

親族・知人からの支援

身近な人からの支援は、金利や返済条件の面で柔軟なことが多く、金融機関からの融資に頼らずに資金を得る手段の一つです。ただし、後のトラブルを避けるためにも、必ず金額や返済時期、返済の有無を文書で明確にしておかなければなりません。また、税務上の贈与と見なされることもあるため、検討する際には税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

借りるなら「いつ・何のために」借りるのが正解か?

資金調達のために借り入れを行うことは、決して悪いことではありません。むしろ、適切なタイミングと目的で活用するのであれば、事業成長を加速させる有効な手段になります。

そこで最後に、起業家が安心して融資を受けられるベストなタイミングや、事業の成長に効果的となる借り入れの目的について解説します。

資金調達

事業が軌道に乗りはじめた段階

融資のベストタイミングは、「売上が見え始めた時」です。創業当初は実績が乏しいため、金融機関の評価はどうしても厳しくなりますが、少額でも継続した売上が立っていれば、事業の将来性を評価してもらいやすくなります。自身でも「この事業なら続けていけそう」という感触が得られる時期であれば、借り入れの返済計画も現実的に立てやすくなるでしょう。

設備投資や事業拡大の明確な目的があるとき

「なんとなく資金に余裕がほしい」ではなく、借りた資金の使い道が明確なことも重要です。たとえば、新たな設備導入、広告・販促の強化、事業拡大のための採用など、投資対効果が見込める使途であれば、金融機関の理解も得やすく、返済も健全に行いやすくなります。借り入れは、「借りられそうだから借りる」ではなく、「使う目的があるから借りる」でなければなりません。

専門家に相談してから判断する

「借りるべきかどうか」を、経営者一人だけで判断するのは、非常に難しいものです。資金繰りの見通しや返済のリスク、税務上の影響など、多角的に検討する必要があるため、税理士など資金調達に詳しい専門家に相談するのがおすすめです。客観的な視点で事業計画を見てもらうことで、最適な判断ができるようになるでしょう。

まとめ

起業初期は資金面の不安が大きく、「とりあえず借りておこう」と思いがちですが、焦って融資を受けると返済が重荷となり、かえって経営を圧迫することがあります。まずは補助金や助成金といった「借りない資金調達」を活用し、事業の土台を固めるようにしてみましょう。借り入れを検討する場合は、売上の見通しが立ち、明確な資金使途があるタイミングで行うことが大切です。資金調達は「いつ・なぜ借りるのか」を見極めることが成功の鍵となります。

ただし、こうした判断を正確に行うためには専門的な知識が必要となるため、判断に迷う場合は税理士などの専門家に相談すると良いでしょう。

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