起業したら「生命保険」はこう見直す!起業家のための保険活用術

起業をすると、収入の安定性や将来の見通しが不透明になり、これまで以上にリスク管理の重要性が増します。その中でも見落とされがちなのが、「生命保険の見直し」です。

サラリーマン時代は会社の福利厚生で守られていた部分も、独立後は自分で備えておかなければなりません。そこで本記事では、起業と生命保険の関係性を整理し、起業家が検討すべき保険の種類や活用方法、さらに注意すべき落とし穴まで解説します。

起業と生命保険の関係

まず、なぜ起業家に生命保険が必要なのかを考えてみましょう。

起業家に生命保険が必要な理由:家計と事業のリスク管理

起業家にとって、生命保険は単なる家族の生活保障だけにはとどまりません。独立した瞬間から、収入が不安定になるため、病気や事故による収入減少は、生活だけでなく事業の継続にも直結します。

病気や事故

サラリーマン時代は会社の健康保険組合や死亡退職金制度などでカバーされていた部分も、起業後は自分自身で備えておかなければなりません。また、家計と事業資金が密接に関わる起業初期では、予期せぬ事態がすぐに経営難につながりかねません。

ですが、生命保険を通じてリスクを分散させておけば、家族の生活を守るだけでなく、事業を立て直す余裕を確保することも可能です。この点からも、起業と生命保険の見直しは不可欠であるといえるでしょう。

起業家が検討すべき生命保険の種類

起業家に必要となる生命保険のうち、主要なものは以下の3つです。

医療保険・入院保障

起業直後は資金繰りが厳しいため、病気やケガで働けなくなった際のリスクは極めて大きいといえます。そのため、医療保険が有効です。医療保険に加入しておけば、入院費や手術費など予想外の医療費をカバーできるため、万が一の場合でも貯蓄の取り崩しを行う必要がありません。特に自営業者の場合、会社員のような傷病手当金制度が原則として利用できないため、治療中は収入が途絶える可能性があります。

そのリスクを軽減するのが医療保険の役割です。補償範囲や入院日額を検討する際には、最低限の生活費や事業の固定費を賄えるかどうかを基準に考えると良いでしょう。また、必要に応じて、所得補償保険を併用するのも有効な選択肢となります。

死亡保険・遺族保障

起業家にとって死亡保険は、残された家族の生活保障に加え、事業の債務対策としても役立ちます。もし万一の事態が起きたとき、家族は生活費に困るだけでなく、借入金の返済や事業清算に直面する可能性があります。

ですが、死亡保険で必要な保障額を確保しておけば、家族に過度な負担を残すことはありません。特に、小さな子どもがいる場合や住宅ローンを抱えている場合は、死亡保険の優先度が高くなります。保障額は、家族の生活費に加え、事業資金や借入残高も考慮に入れると良いでしょう。そうすれば、単に「万一に備える」だけでなく、事業継続や廃業時の清算をスムーズに進めることができます。

事業保障性保険(借入や役員保障など)

金融機関から融資を受ける際、経営者に万一があった場合の返済リスクをカバーするために、「事業保障性保険」が活用されるケースがあります。これは経営者に生命保険をかけ、死亡保険金を返済原資とする仕組みとなっています。特にスタートアップや中小企業では、融資の際に代表者が個人保証を求められることも多いため、加入しておけば万一の際に家族が負債を背負うリスクを減らすことが可能です。

また、この事業保障性保険は、役員退職金や事業承継に備える資金準備としても活用することができます。法人で契約すれば、一定の条件下では保険料が経費算入される場合もあるため、税務上の効果を得られる可能性もあります。こうしたことから、借入や事業リスクがある起業家にとって、重要な選択肢の一つといえるでしょう。

保険活用の具体的なポイント

保険活用

次に、生命保険を選ぶ際に注意すべきポイントについて整理します。

保障額と契約形態の選び方

生命保険を検討する際にまず考えるべきは、どれだけの保障額が必要かという点です。家族構成や生活費、借入の有無によって適切な金額は変わります。一般的には「生活費の5〜10年分+事業債務」が目安とされますが、起業家の場合は事業リスクを加味した試算が必要です。

また、個人契約と法人契約のどちらにするかも大きな論点となります。個人契約は家族保障に適していますが、法人契約であれば事業保障や節税効果を狙えるケースもあります。そのため、目的に応じて契約形態を選び分けることが、保険を最大限活用するポイントだといえるでしょう。

節税や資金繰りへの活用法

生命保険は、保障を得るだけでなく、資金繰りや税務対策にも役立ちます。たとえば、法人契約の定期保険は、一定の条件下で保険料の一部を損金算入できる場合があります。解約返戻金を活用すれば、将来の事業資金や退職金の原資として利用することも可能です。ただし、節税目的で過度に加入すると逆に資金を拘束してしまうリスクもあるため、加入の際には十分な注意が必要です。

なお、税制は改正される可能性もあるため、契約前には税理士などの専門家に相談しながら慎重に選ぶと良いでしょう。

起業直後にありがちな保険の落とし穴

保険の落とし穴

最後に、保険の加入や見直しで失敗しやすい点について解説します。

保険料負担と過剰加入のリスク

起業直後は収入が安定しないため、過剰に保険に加入してしまうと、毎月の保険料が資金繰りを圧迫してしまうリスクが高まります。したがって、「不安だから」と手当たり次第に契約を増やすのは、良くありません。必要な保障額を冷静に試算し、適切かつ最低限に絞ることが重要となります。特に解約返戻金の低い長期契約を複数抱えると、途中解約による損失リスクも高まります。

また、知人や営業担当者に勧められるまま加入した結果、事業に本当に必要な保障と乖離してしまうケースもあります。起業家にとって資金は命綱であり、保険料は固定費としての性質を持つため、検討する際には慎重な判断が必要です。こうしたことから、保険の加入はまず必要最小限から始め、事業成長に合わせて見直す姿勢が欠かせません。

見直しを怠って不利益を被るリスク

保険は、一度加入して終わりではありません。ライフステージや事業状況に応じて、その都度見直さなければなりませんが、起業直後の忙しさから契約を放置してしまうケースが目立ちます。その結果、保障が過不足のまま放置され、いざというときに十分な効果を発揮できないことがあります。

逆に、不要になった契約を抱え続けると、保険料の無駄払いになってしまいます。たとえば、「借入金を完済したのに事業保障性保険をそのまま残してしまう」「子どもの独立後も高額の死亡保障を維持してしまう」などが、その典型例です。定期的に見直しを行えば、保障内容を最適化できるだけでなく、資金効率も高まります。保険に関しては、最低でも1〜2年に一度は専門家と一緒に点検することが望ましいでしょう。

まとめ

起業家にとって生命保険は、家族の生活を守ると同時に事業のリスクをカバーする重要な役割を担っています。医療保険や死亡保険に加え、借入を支える事業保障性保険も、検討すべき選択肢です。

必要な保障額や契約形態を見極め、節税や資金繰りにも役立てることで、保険は大きな武器になります。一方で、過剰加入や見直し不足といった落とし穴も存在します。したがって、専門家と相談しながら、自社の成長段階に合わせた設計を心がけると良いでしょう。

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