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会社設立前に使ったお金は経費にできる?創立費・開業費の違いと処理方法

2026.8.28

会社を設立する前にかかった費用は、経費にできるのでしょうか。「個人で支払ったものだから無理では」「どの費用が対象になるのかわからない」と不安に思う方も多いと思います。実は、会社設立のために使ったお金は、一定の条件を満たせば会社の経費として処理することが可能です。また、創立費や開業費として計上し、後から経費にする方法もあります。

この記事では、起業して間もない方やこれから会社を作ろうとしている方を対象に、設立前の費用が経費になる仕組みと、創立費・開業費の違い、処理方法などをわかりやすく解説します。

会社設立前に使ったお金は経費にできる?

会社を設立する前に支払った費用でも、条件を満たせば会社の経費として処理できます。ここではその基本的な考え方を整理します。

設立前の費用を会社の経費にできる理由

会社は、設立登記によって法人として成立します。したがって、それ以前に発生した費用は、厳密にはまだ会社が存在しない時期の支出です。

しかし、会社を設立するために必要だった費用については、設立後の会社が負担すべきものと認められています。このため、設立前に個人が支払った費用であっても、設立後に会社の費用として処理することができます。

ただし、会社設立に必要な支出であることなど、一定の要件を満たすことが必要です。

個人で支払った場合でも経費にできるケース

個人で支払った場合でも経費にできるかどうかは、その支出が会社に関連しているかどうかで判断します。会社設立前の費用は、発起人などの個人が立て替えて支払うケースがほとんどです。

そのため、「会社の設立や事業準備のために使ったものかどうか」が、経費として処理できるかどうかの判断基準になります。この関連性を明確にしておくためには、領収書や請求書をきちんと保管し、「何のために使ったのか」がわかるようにしておかなければなりません。

そうすれば、個人の財布から出たお金であっても、後から会社の費用として処理しやすくなります。

会社設立前費用は経費になるか

会社設立前の経費として認められる費用・認められない費用

設立前に支払った費用は、すべてが経費になるわけではありません。認められるものと、そうでないものを分けて整理します。

経費として認められる主な費用

会社を設立するために直接かかった費用は、基本的に経費として認められます。代表的なものは次の通りです。

  • 定款の作成費用や認証手数料
  • 設立登記にかかる登録免許税
  • 司法書士や行政書士などへの報酬
  • 会社の印鑑作成費用
  • 設立準備のための交通費や打ち合わせ費用

これらは、支出の目的や時期に応じて、創立費などとして処理します。会社設立という目的に明確に結びついている支出であれば、創立費の対象となります。

経費として認められにくい・認められない費用

一方で、次のようなものは創立費や開業費として認められにくい、または別の処理が必要です。

  • パソコンや机など、固定資産として計上する必要があるもの
  • 商品の仕入れ費用
  • 敷金・礼金
  • 通常の営業活動に伴って発生する経常的な費用

たとえば、一定金額を超えるパソコンや机などは、創立費や開業費ではなく、資産として計上し、減価償却を行います。また、通常の営業活動に伴って経常的に発生する費用は、創立費や開業費ではなく、通常の費用として処理する必要があります。

こうした判断が難しいと感じた場合は、税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

会社設立にかかる創立費と開業費の違い

創立費と開業費の違い

設立前後の費用は、タイミングによって「創立費」と「開業費」に分かれます。ここでは、それぞれの意味と違いについて解説します。

創立費とは何か

創立費とは、会社を設立するためにかかった費用のことです。具体的には、設立準備を始めてから設立登記が完了するまでに支出したものが対象になります。定款の作成・認証費用、登録免許税や司法書士への報酬、設立準備のための交通費や打ち合わせ費用などがその代表例です。会社という法人を法律上誕生させるために必要だった支出とイメージするとわかりやすいでしょう。

開業費とは何か

一方、開業費とは、会社を設立した後で、実際に営業を開始するまでにかかった開業準備のための費用のことです。名刺やパンフレットの作成費、広告宣伝費、市場調査費用などが該当します。すでに会社は存在しているものの、まだ本格的に事業を始めていない期間の準備費用、と考えると創立費と区別しやすくなります。

会社設立前に使った経費の処理方法と注意点

創立費や開業費は、これまで述べてきたように、適切に処理することで経費にできます。ここでは、基本的な会計処理方法と、押さえておきたい注意点について解説します。

創立費・開業費の会計処理の基本

創立費と開業費は、会計上、支出した時点で費用として処理する方法が原則です。ただし、支出の効果が将来に及ぶことから、繰延資産として資産に計上し、後から費用として処理することも認められています。繰延資産として計上した場合、会計上は原則として5年以内の効果の及ぶ期間にわたって、均等に償却します。

なお、税務上は、創立費と開業費について任意償却が認められています。任意償却とは、毎年決まった金額を償却するのではなく、未償却残高の範囲内で任意の金額を損金に算入する方法のことです。そのため、利益が出た事業年度にまとめて償却するなど、会社の状況に応じて償却する時期や金額を選択できます。

処理する際の注意点(領収書・支払者など)

処理する際に特に重要なのは、証拠書類の保管です。領収書や請求書は必ず残し、何のために使ったのかをわかるようにしておかなければなりません。たとえば、個人が立て替えて支払った場合であれば、会社が負担すべき費用だったことが明確にわかるように記録しておくことが大切です。

なお、パソコンや机などの減価償却資産は、取得価額などに応じて固定資産として処理し、減価償却する必要があります。ただし、一定の要件を満たす場合は、少額減価償却資産などの特例を利用できることがあります。

まとめ

会社設立前に支払った費用でも、会社の設立や事業の準備に必要なものであれば、設立後に会社の経費として処理できる場合があります。一般的には、設立登記前の設立関連費用を創立費、設立後から営業開始までの開業準備費用を開業費として処理します。

創立費と開業費は、支出した時点で費用として処理する以外に、繰延資産として計上することも可能です。繰延資産として計上した場合、税務上は任意償却が認められているため、会社の利益状況に応じて償却する時期や金額を決めることができます。

ただし、設立前に使ったお金がすべて創立費や開業費になるわけではありません。商品の仕入れやパソコンなどの固定資産の購入費用は、それぞれ異なる方法で処理する必要があります。また、個人で立て替えた費用についても、領収書や請求書などの証拠書類をきちんと保管しておかなければなりません。どう処理すればよいか迷う場合は、できるだけ早い段階で税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。