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会社の事業目的はどう書く?定款作成で失敗しない決め方と記載例

2026.8.28

会社を設立する際、定款に記載する事業目的で悩む方は少なくありません。「どう書けばいいのかわからない」「失敗したらどうなるのか不安」と感じる方も多いでしょう。事業目的は、会社がどのような事業を行うかを示す重要な項目です。記載内容によっては、登記のスムーズさや取引先・金融機関からの印象、将来の事業展開のしやすさにも影響します。

この記事では、これから会社を作ろうとしている方を対象に、事業目的の決め方と失敗しない書き方をできるだけわかりやすく解説します。

定款に記載する事業目的とは

定款の事業目的は、会社が行う事業の内容を対外的に示す重要な項目です。ここでは、その役割と満たすべき基本的な要件を整理します。

事業目的が果たす役割

事業目的は、会社法で定められた定款における絶対的記載事項のひとつです。目的を定款に記載しなければ、株式会社を設立することができないため、会社設立時には必ず定める必要があります。

また、事業目的は登記事項でもあるため、法務局で登記事項証明書を取得すれば、誰でも内容を確認できます。そのため、取引先や金融機関が会社の実態を判断する際の材料のひとつともなり、法人口座の開設や融資の審査でも確認されることがあります。

なお、会社の事業目的には、設立後に行う事業だけでなく、将来行う可能性のある事業も記載できます。ただし、許認可が必要な事業については、定款の目的の記載内容が許認可の審査に影響することがあるため、事前に確認しておくことが大切です。

満たすべき3つの要件(適法性・営利性・明確性)

事業目的は、適法性・営利性・明確性の3つの要件を満たさなければなりません。適法性とは、法律や公序良俗に反していないことです。犯罪行為や資格がないとできない業務は、基本的に記載することができません。

営利性とは、利益を上げることを目的としていることです。株式会社や合同会社は営利法人のため、ボランティア活動だけを事業目的にすることは認められません。

明確性とは、誰が読んでも事業内容がわかる表現であることです。専門用語や造語だけで書かれている場合、法務局で修正を求められることがあります。

この3つの要件を意識して事業目的を記載することで、登記がスムーズに進みやすくなります。

事業目的

定款の事業目的を決めるときのポイント

事業目的を決めるときは、現在の事業だけでなく、将来の展開や実際の書き方のコツを押さえておくことが大切です。ここでは、特に重要となるポイントを3つ紹介します。

設立後に行う事業を具体的に洗い出す

まず、会社で実際に行う予定の事業を具体的にリストアップします。「サービス業」や「商業」といった漠然とした表現ではなく、何をどのように行うのかがわかるように記載します。

たとえば、飲食店を開く場合は「飲食店の経営」、Web制作がメインなら「Webサイトの企画、制作及び運営」と記載すれば、わかりやすく伝えられるでしょう。曖昧な記載は、法務局で修正を求められたり、金融機関から事業内容が把握しにくいと判断されたりする原因になるため、注意が必要です。

将来の事業展開を見据えて関連事業を加える

設立直後に行う事業だけでなく、今後展開する可能性のある関連事業も加えておくと安心です。事業目的を後から変更しようとすると、定款変更と登記が必要になり、手間と費用がかかるためです。

たとえば、飲食店経営をメインにしつつ、将来的にテイクアウトや通信販売も考えているなら、それらも最初から記載しておくとよいでしょう。関連性の高い事業を幅広くカバーしておけば、柔軟に事業を広げやすくなります。

ただし、全く見通しのない事業を無理に盛り込む必要はありません。現実的に可能性がある範囲で検討しましょう。

必要十分な数を記載し、最後に附帯文言を入れる

事業目的の数に法律上の上限はありません。ただし、必要以上に多くすると会社が何を行うのかわかりにくくなるため、現在行っている事業と将来行う可能性のある事業を整理したうえで、必要なものを記載するとよいでしょう。

また、事業目的の最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」といった文言を加えておくと、記載した事業に関連する業務まで幅広くカバーできます。

定款の事業目的で失敗しないための注意点

注意点

事業目的の記載でつまずきやすいポイントを事前に押さえておくと、登記やその後の手続きがスムーズに進みやすくなります。ここでは、重要な注意点を3つ紹介します。

曖昧な表現や専門用語だけの記載を避ける

「サービス業」「各種事業」など、事業内容がわかりにくい表現で記載するのは避けた方がよいでしょう。現在は、事業目的の具体性について以前ほど厳格な審査は行われていませんが、取引先や金融機関など第三者が見たときに、どのような事業を行う会社なのか分かるように記載することが大切です。また、専門用語や業界内だけで通じる言葉だけを使うのも、避けた方がよいでしょう。

事業目的を決める際には、誰が読んでもどのような事業を行う会社なのかがイメージできるようにすることが大切です。たとえば、「経営コンサルティング業務」とするよりも、「企業の経営戦略に関するコンサルティング業務」と具体的に書いた方が、より伝わりやすくなります。

このように、明確に伝わることを意識して書くと、余計な手戻りを防ぎやすくなります。

許認可が必要な業種では行政が求める文言を確認する

建設業、宅地建物取引業、労働者派遣事業、飲食店営業、古物営業など、許認可が必要な事業では、定款の事業目的の記載内容が許認可の審査に影響する場合があります。したがって、許認可を取得する予定がある場合は、事前に管轄の行政庁や専門家に確認しておくと安心です。

変更手続きの手間と費用を事前に把握する

事業目的を後から追加・変更・削除する場合、定款の変更手続きと登記が必要です。株式会社の場合であれば、株主総会で特別決議を行ったうえで、登記の際に登録免許税として3万円を支払わなければなりません。また、司法書士に依頼する場合は、別途報酬も発生します。

設立時に将来の可能性をある程度見据えておくと、こうした手間や費用を抑えやすくなります。ただし、全く計画のない事業を無理に記載する必要はありません。

定款に記載する事業目的の書き方と具体例

定款の書き方

事業目的は、番号を振って列挙する形式で記載するのが一般的です。主たる事業を最初に書き、関連事業を続けます。最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」を加えておくと、状況の変化にも柔軟に対応しやすくなります。

なお、代表的な業種の記載例は、以下の通りです。

IT・Web関連

  • コンピュータソフトウェアの企画、開発、販売及び保守
  • Webサイトの企画、制作、運営及び管理
  • インターネットを利用した各種情報提供サービス

飲食業

  • 飲食店の経営
  • 食料品、飲料品の製造、加工及び販売
  • ケータリングサービス業

小売・卸売業

  • 衣料品、日用雑貨の販売
  • インターネットを利用した通信販売業務

不動産業

  • 不動産の売買、賃貸借、管理及び仲介

これらは参考例です。許認可が必要な業種では、行政が求める文言を事前に確認したうえで、適切な内容を記載してください。

まとめ

定款の事業目的は、会社の活動範囲を示すだけでなく、取引先や金融機関からの印象にも影響する重要な項目です。適法性・営利性・明確性を満たしたうえで、現在の事業を具体的に、将来の可能性も見据えて記載することがポイントになります。

事業目的の書き方で迷った場合は、司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。また、税理士に相談すれば、事業計画や資金調達などを見据えた視点からのアドバイスが望めます。